NPCSネパール
NPCSネパール:コミュニティ栄養改善プロジェクト
【プロジェクト概要】
期待される成果:衛生管理や食習慣の改善による、子どもたちの栄養不良の改善と、出産適齢期の女性や子ども達の食習慣とその状況の改善
具体的な目標:
・青少年の栄養に関する知識の向上
・衛生と栄養の相互関係についての認識を深める
・学校での菜園を通して、最低限の食生活の多様性を強化する
・学校、家族、地域社会における模範となる生徒を育成する
・プロジェクト終了後も活動が持続されることに注力を注ぐ。
地域:第二州(現マデシ州)、サプタリ地区、カンチャンラップ(ネパール南東部テライ地域)
期間:3年間
背景
これまでインフラや地理的な問題から健康状態や栄養状態に問題のある丘陵地帯のコミュニティを中心に栄養改善プロジェクト活動を行ってきたNPCSですが、昨今のネパール国内の全国調査(NDHS2016)により、第二州(南東部のテライ平原の地域)がネパール内で最も深刻な状況であることが確認されました。5歳未満の子どもの栄養指標、保健指標、15~49歳の女性(生殖年齢)の栄養指標の状況は以下の状況です。
- 5歳未満の子どもの死亡数: 52人(1000人あたり)
- 5歳未満の子どもの発育阻害率: 37%
- ワクチン接種率: 65%
- 5歳未満の子どもの貧血率: 59%
- 15~49歳の女性の貧血率: 58%
これらの状況は、テライ地域に住む特定のコミュニティの住人たち(この州の4分の3以上の人口を占める)が歴史的に疎外されてきた背景があります。貧困、栄養、教育、女性のエンパワメントの指標においても低い値にあります。また適切な医療サービス利用においても、長年利用率が低い傾向にあります。
NPCSはこれまでのネパール国内での活動経験や専門性を活かし、テライ地域での栄養改善プロジェクトを取組むことにし、アイルランド政府(Misean Cara)からの資金援助で、プロジェクトの候補地、プロジェクトコミュニティの選定、詳細なベースライン調査を行いました。
2021年9月に第2州(現マデシ州)、サプタリ地区、カンチャンラップ市の413家庭を対象に調査を実施し、5歳未満の子どもの栄養不良率は22%、母親の低体重率は37%と食習慣や栄養状態の改善が必要な状況であることが判明しました。
2022年2月よりカンチャンラップ市のコミュニティで組織作り、スタッフ研修、モニタリングなどの栄養改善プロジェクトを開始しています。
ウェスレー財団は、NPCSとアイルランド政府(Misean Cara)と協働で、カンチャンラップ市における栄養改善プロジェクトに取り組んでいきます。