インターン生紹介
インターン生紹介
インターシッププログラムを経験された方々をご紹介します。
宇山光さん(インターン先:バット博士記念ホーム、期間:2022年8月~9月末)
インターンシッププログラムに申し込んだきっかけ

写真提供:バット博士記念ホーム
私は大学で幼児保育を学んでおり、将来は子どもと関わる仕事に就きたいと考えています。子どもと関わる仕事は様々ありますが、その中でも「児童養護施設」での働きに興味がありました。児童養護施設は、親がいない子どもや、親がいても虐待されるなどして適切な養育を受けられない子どもを養育する施設です。私は大学に入ってから児童養護施設に関心を持つようになり、施設実習に参加する機会を待っていましたが、コロナ禍で延期が続いてしまい、なかなか実習に行くことができませんでした。そんな中、ウェスレー財団のインターシッププログラムの存在を知り、キリスト教精神に基づいて子どもへの支援をする「バット博士記念ホーム」でのインターンを通して実践的な学びを深めていきたいと思い、申し込みました。
インターンで携わっている活動
インターン先では主に、子どもの「学習支援」と「遊び支援」を行っています。学習支援では、子どもの学校の宿題を見たり、分からないところがあれば教えたりしています。学習支援の目的は二つあり、学校の宿題をきちんと提出できるように取り組む姿勢を支援する「宿題支援」と、その子どもの課題を見つけて克服できるよう支援する「基礎学力の向上」があります。特に8月は夏休みの宿題の支援を行いました。「遊び支援」では、子どもたちの安全に注意しながら一緒に遊びます。特にこの支援は、楽しみながら子どもと関わる場面でもあり、子どもとの関係を深める時でもあると考えています。そのため、大人が全力で楽しむことがとても重要です。この二つの活動の他に、家庭舎で食事の準備を行ったり、日曜日は教会の礼拝出席の引率などをしています。
インターンを通して学んでいること

写真提供:バット博士記念ホーム
インターン中に学んだことは、子どもを支援することについてです。私は施設で「指導員」という立場に立って、子どもたちの支援をする役目を任されています。しかしインターン当初は、「支援する」ことがどのようなことか理解できておらず、子どもの出来なかったことをしてあげることが支援になると考えていました。その結果、どの場面においても子どもよりも先に動いてしまうことがありました。しかし、指導員に求められていることは、子ども一人ひとりの課題に、その子ども自身が向き合えるよう促すことでした。子どもができないことを大人が代わりにしてしまうことは、子どもにとって助けにはならず、むしろ「できないことは、誰かがしてくれる」という認識を作らせてしまい、自立には繋がりません。例えば、子どもが脱ぎっぱなしにした靴を見かけたら、早く綺麗にするために大人が片付けることはよくあると思います。しかし、子どもの自立を支援するためには「靴が出ているよ」と声を掛け、子ども自身に気づかせる必要があります。子どもたちが自立できるよう、声を掛けて気づかせたり、時には一緒に取り組んだりすることが大切であることを学びました。
バット博士記念ホームについて
バット博士記念ホームは、東京都町田市にある児童養護施設です。園内と併せて、地域にあるグループホーム、ファミリーホームには4~6名の子ども達が職員と共に生活を営んでいます。また、地域の子どもや家庭を支援するため、様々な地域支援サービス事業も行っており、キリスト教の隣人愛を基本とした、地域や子どもに対する多様な福祉事業を展開しています。
ウェブサイト:https://bott-home.org/
M.Tさん(インターン先:日本聖書協会、期間:2022年8月~9月中旬)

写真提供:日本聖書協会
インターンシッププログラムに申し込んだきっかけ
インターシッププログラムの経験を通して⾃分の視野を広げ、社会でどのようなことが起きているのか、解決しなければいけないことは何かを知り、私は将来どのような場所で社会問題を解決していけるかを考えるきっかけにしたいと思ったからです。また、普段の学⽣⽣活で取り組んだことのない活動をすることを通じて、私に与えられている賜物と適性を知ることができたら良いと思いました。
インターンを通して聖書を⼈々にお届けするという活動に携わらせていただくことで、聖書がどのように社会で⽣かされているのか学ぶと同時に、いろいろな教団教派の⽅がいらっしゃる環境で、共に活動していくことを学んでいけたら良いなと思っています。
インターンで携わっている活動
編集部、広報部、募⾦部、出版部、視聴覚部、頒布部各部の業務に関わらせていただいています。現在(2022年8月中旬)は、広報部にて若者が聖書に親しむきっかけを持つにはどのようにしたらよいか、若い世代に聖書頒布の⽀援を知ってもらうにはどのような⼯夫ができるか考え、企画案を制作しています。編集部では、来年開催予定の聖書展に若者に⾜を運んでもらうための展⽰の⼯夫を検討するため、実際に博物館を訪れて展⽰の⼯夫を考えたり、インターネットを使って若者のニーズについて分析したりしています。

写真提供:日本聖書協会
インターンを通して学んでいること
⽇本聖書協会は、もうすぐ150周年を迎える歴史のある団体です。さまざまな教団・教派の背景をもつ⽅々が共に聖書をより多くの⼈々に届けるための働きをしています。私はこのインターンを通して⼿話訳聖書の重要性を初めて知りました。聴覚障がいのある⽅の中には、日本語を読んで理解できる方もいれば⼿話を第⼀⾔語にされている方もおり、⼿話でないと聖書が⼗分に理解できない場合があります。そのような方々にとって、⼿話訳聖書はなくてはならないものであることがわかりました。⽇本語⼿話訳聖書の翻訳は 1993 年に開始されていましたが、いまだに聖書全体の約30%ほどしか翻訳されていません。また、⼿話約聖書を出版するのは通常の聖書と⽐べて費⽤が⾼く、その費⽤を⽀える献⾦も必要になっています。聖書を読みたい時にすぐ読むことができる環境で⽣活している私にとって、⾃分が⼀番理解できる⾔語で聖書を読むことができない⽅々が⽇本にもいるという事実はとても驚きでした。聖書を好きなときに好きなだけ読むことができることの幸いを学ぶことができました。またそれと同時に、聖書を⾃由に読みたくても読むことのできない⼈たちのために⽀援をしていくことが必要であることを学びました。
*手話訳聖書に関する詳細はこちら(日本聖書協会のHP)をご覧ください
日本聖書協会について
日本聖書協会は、聖書協会世界連盟(UBS)の一員として、200以上の国や地域において活動している各地の聖書協会と相互に協力し合いながら、聖書翻訳、出版、頒布、支援を主な活動として全世界の聖書普及に努めています。現在、文語訳、口語訳、新共同訳、聖書協会共同訳の4つの翻訳聖書を発行し、書籍を中心として、点字、手話、音声、電子などといった様々な聖書の出版、頒布を行っています。
ウェブサイト:https://www.bible.or.jp/
長根山千恵子さん(インターン先:セカンドハーベスト・ジャパン、期間:2022年4月~6月末)

写真提供:セカンドハーベスト・ジャパン
インターンシッププログラムに申し込んだきっかけ
私がインターンシッププログラムに申し込んだきっかけは主に2つあります。1つ目は、インターンシップの経験を通して社会課題を学び、社会に貢献したいと思ったためです。社会に存在する問題に対して、「見ないふりをせずに何かしなければならない」と思いながらも、個人では限界があることに葛藤を覚えていました。しかし、ウェスレー財団のインターンシップであれば、様々な団体の中で興味のある分野の社会課題について学ぶことができ、団体の一員として積極的に社会課題解決に関わっていけることができると思い、このプログラムに申し込みました。
2つ目は、聖書にある”Servant Leader”について学びたいと思ったためです。リーダーとして召されているならば、謙虚に「人に仕える」リーダーとして成長したいと思いながらも、どこか自己中心になってしまう自分に悩んでいました。そんな時にこの機会が与えられ、このインターンシップを通して、イエス・キリストが多くの人に仕えたように、私も人に仕えていくことを学べるのではと思い、このプログラムに参加させて頂きました。
インターンで携わっている活動
セカンドハーベスト・ジャパンでは、まだ食べられるのに余ってしまった食品を、食べ物に困っている人に届けるといった活動をしています。さまざまな食品会社さんからの寄付、地域のフードドライブによって集まった食料品寄付、または個人からの寄贈品など、多くの方々からの寄付によってこの活動が成り立っています。
私がインターンをしている部署は、フードバンク部というBtoBの寄付を取り扱う部署で、企業が寄付した食品をパントリーや施設などの団体に渡しています。そのフードバンク部で、届けられた寄贈品の管理補助と、フードバンク活動を広めることを目標としたプロジェクトの一環として、ウェブサイト用のフードパントリーの地図作成に取り組んでいます。また、フードバンク部以外でも、CEOの下で「うさがみそーれープロジェクト」という沖縄で毎月食糧支援をするプロジェクトのサポートをしています。

写真提供:セカンドハーベスト・ジャパン
インターンを通して学んでいること
このインターンを通して新たに得られたことは、フードバンク活動について基本から学び、日本の貧困事情をしっかりと認識できたことです。正直に申し上げますと、活動を始めた当初は日本に貧困が存在するという事実を認識しておらず、「フードバンク」という言葉さえも聞いたことがありませんでした。ですが、スタッフの方のお話を聞いたり、パントリーや団体引き取りのお手伝いをしている中で、本当にたくさんの人が貧困に苦しみ、フードバンクを必要としていることを肌で感じています。
また、フードバンクの存在意義を再確認することもできました。当初は、フードバンクが最終的に目指しているのは「フードロスと貧困を社会からなくす」ことだと思い込んでいましたが、スタッフの方からお話を伺い、「けがをした人が病院に行くのと同じように、食に困った人がいつでも来て食品を受け取ることが出来るような『公共の財産』となること」を最終目標としていることが分かりました。このインターンシップを通して、「食のセーフティーネットを確立する」ということがいかに大切であるかを学んでいます。
セカンドハーベスト・ジャパンについて
セカンドハーベスト・ジャパンは、まだ充分食べられるにも関わらずさまざまな理由で活用されない食品を受け取り、それらを必要とする方々へ提供する日本初のフードバンクです。フードバンク活動を通じて食品製造業者、食品輸入業者、食品流通業者、農業生産法人などと提携し、余剰食品を寄付することを促しています。寄付された食品は安全に保管され、全国の主要なフードバンク団体とも連携し、食品支援が必要な施設・団体・家庭(個人)などへ提供されます。
ウェブサイト:https://2hj.org/
五十嵐望美さん(インターン先:マイノリティ宣教センター、期間:2022年1月~3月、5月~9月中旬)

マイノリティ宣教センターの事務所にて。左が五十嵐さん (写真提供:マイノリティ宣教センター)
インターンシッププログラムに申し込んだきっかけ
これまで平和や人権といった社会課題について関心を持ちながら学びを深めてきた中で、将来そうした経験を生かした働きができないだろうかと考えていた時に、このプログラムについて知りました。以前からキリスト教を基盤とした組織での働きを経験してみたいと思っていたので、このプログラムに申し込みました。
インターンで携わっている活動
マイノリティ宣教センターが発行しているニュースレターに寄稿したり、また、センターが展開しているポッドキャストでゲストとして出演するなどといった発信活動に携わらせていただきました。また、センターが主催しているイベントの企画を考えて準備を進めたり、さまざまなプログラムにも参加しながら、センターが取り組むミッションやマイノリティの課題について学びを深めています。
(五十嵐さんが出演したポッドキャストはこちらから再生できます)
インターンを通して学んでいること
センター自体の働きはまだ数年の歴史ですが(設立は2017年)、それまでにも日本のさまざまなキリスト教会が教派・宗派を超えてエキュメニカルな働きとして日本におけるマイノリティの課題に長年取り組んできた歴史的背景について知ることができました。また、センターの働きに携わっている方々とのお話を通して、マイノリティが直面している人権課題について学びを深めるだけでなく、そうした課題に対してキリスト教コミュニティがどのような役割を果たすことができるのかについて改めて考えたり見つめ直したりするようになりました。これらはすぐに答えがでるような、決して簡単な問題ではないですが、このインターンシップを通してキリスト教コミュニティだからこそ果たせるような役割の可能性や希望を感じ始めるようになりました。
マイノリティ宣教センターについて
マイノリティ宣教センターは、日本においてマイノリティに対する差別と憎悪が蔓延する現状をのりこえていくために、①人種主義との闘い、②ユースプログラム、③和解と平和のスピリチュアリティ開発、④日本教会・海外教会への発信 の4つの柱のもと様々な活動をしています。これらの取り組みを軸に、この社会が多民族・多文化共生の豊かに根づく平和な社会となることをめざしています。
- インターンシッププログラムに関する詳細はこちら