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2021年度開発・育成活動助成金交付事業のご紹介(DAREDEMO HERO)

ウェスレー財団では、助成金事業の一つとして、「開発・育成活動助成金」を実施しています。この助成金では、日本、アジア・太平洋地域で2年以上すでに実施されている継続的な事業に対し、助成金を交付しています。2021年度の交付団体の一つである、NPO法人DAREDEMO HEROの活動をご紹介します。

DAREDEMO HEROは、フィリピンのセブ島で貧困問題の根本解決を目指し、貧困層に教育支援を行う団体です。現在は、小学生から大学生までの50名近くの奨学生たちに対する教育支援を中心とした活動を行っています。

2021年度開発・育成活動助成金の交付事業では、これまで実施してきた奨学生への学習支援に加え、コロナ禍で学習の機会を失った最貧困地区の子どもたちのためにラーニングセンターを開設し、学びの機会を提供しました。(前回の紹介記事はこちら

フィリピンでは、2021年度も新型コロナウイルス感染症の影響により学校の授業はオンラインで行われました。さらに、2021年12月16日にセブを直撃した巨大台風により、1ヵ月を超える全面休校が実施され、2022年3月末時点でもほとんどの学校が台風被害の校舎の修復ができない状態でした。コロナで疲弊した経済は、台風によってさらに追い打ちをかけられ、貧困層の生活は困窮を極めており、教育よりも「今を生き抜くこと」が日々の課題となっているのが現状です。

このような状況下で、オンライン授業を受けることができる子どもたちの割合は低下し、プリントによる学習やラジオ学習もドロップアウトする子どもたちの数が増えました。さらに、長期にわたる外出規制と、自宅での学習によるプレッシャーから、精神的に問題を抱える子どもたちの数も増加しました。

DAREDEMO HEROが運営するラーニングセンターに通う子どもの中には、家族のためにゴミ山でゴミを拾って生計を助けなければならない子どもたちもいます。センターでは、日々の軽食に加えて、1週間無遅刻無欠席の子どもにお米の配布を行うことで子どもたちの授業への出席率が向上し、初等教育を受けておらず自分の名前も書けなかった子どもたちが、この1年間の指導によって名前だけでなく簡単な英単語も書けるようになりました。貧困によって家を持てずに市内の公共墓地で生活する世帯の中には、物乞いや盗みをする子どもたちもいましたが、ラーニングセンターに通うことでそれらの素行も改善されました。

奨学生にはパソコンの貸出・Wi-Fi環境を提供することにより、コロナ禍でも学校のオンライン授業を受講することができました。さらに、DAREDEMO HEROでもオンライン補習授業を提供し、奨学生たちの学びをサポートしました。2021年度は6名の奨学生が無事に志望大学に合格し、その他の奨学生も無事に進級することができました。

奨学生の中には、台風によって家が全壊/半壊した子どもたちもいました。そのような子どもたちには、家屋の修繕費用と日々の食事に必要な現金支給を行い、台風後のオンライン授業再開時には授業が受けられる体制まで復興することができました。また、奨学生たちは、過酷な環境で生きるラーニングセンターの子どもたちと交流し、自分たちが学んだことをラーニングセンターに通う子どもたちに伝える活動もしました。

DAREDEMO HEROの奨学生は、志が高く真面目な子どもが多いため、コロナ禍の厳しい規制や学業に対するプレッシャーで精神的に不調をきたす子どもも出てきてしまいましたが、ソーシャルワーカーによるカウンセリングや、支援が必要な子どもに対しては医療支援も行い、最大限のサポートがなされました。

ウェスレー財団は、支援対象の子どもたちの学びと成長を願い、地域社会を担う人材育成のために2022年度も引き続きDAREDEMO HEROの事業に助成金を交付します。

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