報告

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国際プログラム開催報告

沖縄で平和を考える研修2019 スタッフ報告
Peace Seminar in Okinawa 2019 Staff Report “Be a Peace Maker”

大変遅くなりましたが、2019年2月に沖縄で実施した平和を考える研修のスタッフ報告です。
どうぞお読みください。

2019年2月18日~23日(5泊6日)まで沖縄県宜野湾市に位置する沖縄キリスト教センターぎのわんセミナーハウスを会場に「沖縄で平和を考える研修2019」を実施しました。計4か国(韓国、フィリピン、アメリカ、日本)から18-30歳までの15名の女性たちと、スタッフ5名、ゲスト講師等4名の計24名が集まりました。これまで韓国で平和を考える研修を実施してきましたが、日本開催を希望する声もあり、2014年からの5年振りに沖縄で研修を開催しました。

沖縄で研修を実施するにあたり4つの目的がありました。1つ目は、開催地である沖縄の歴史、文化、直面する社会課題を座学と訪問を通して知り、社会課題や国際問題、特に平和への関心を高め、地球規模(特にアジアの視点)で課題を考える思考を身につけること。2つ目は、平和を作り出すリーダーシップについて女性の視点から学び考え、様々な背景をもつ参加者同士の意見交換を経験し、国際的視野をもった女性のリーダーシップ育成への寄与を推進すること。3つ目は、アジアを中心とした同世代の女性同士で寝食を共にする中から、文化交流、国境を越えた信頼関係の構築と新たなコミュニティ形成に寄与すること。4つ目は、事前課題を通して自国を客観視し、女性への暴力という共通課題を考える機会を作ることでした。

研修では、日本・韓国・フィリピンの共通点でもある米軍基地(フィリピンは92年に撤退したが両国による軍事演習は毎年実施中)とその周辺で起こる女性への暴力について事前勉強から各国の現状を調べ発表し理解を深めました。また第二次世界大戦において起こった女性への性暴力について、各国でどのよう教えられているか、また女性たちはどのように証言しているのかを調べてくる事前課題を課し、各国から発表をし、自国の視点だけでなく、他国の視点を直接知ることができたことは、同じ事象を多角的側面からとらえることの重要性を認識するために大切なときとなり、お互いに理解を深めました。

沖縄で活躍されるアクティビストの高里氏、女性の歴史研究家である宮城氏を講師としてお招きし、女性の視点から歴史を考察し、戦争から戦中そして戦後の沖縄を考察する機会を持ちました。また、研究者であり活動家である秋林氏(同志社大学グローバル・スタディーズ研究科教授)からも国際的かつフェミニストの視野からの平和運動を学ぶ機会をもちました。またフィリピンから Framo氏(フィリピン合同メソジスト教会Deaconess)を講師として招き、キリスト教を基礎とした平和構築の実践について学ぶ機会も得ました。

女性の人権という共通する側面から、沖縄の痛みの歴史と現在をとらえることで、被害者の痛みや、今も紛争地や世界中で起きている、女性の人権侵害(特に女性への暴力)に関して広く問題を考える機会ともなりました。研修中は、米軍基地を外から見学することにより、軍事といった現実を自分の目で見て経験する機会も、若い参加者の国際関係への関心を高めることにもつながりました。(Photo by Paul Jeffrey)

沖縄県宜野湾市沖縄キリスト教センターぎのわんセミナーハウスの多大なるご協力によって、沖縄線の跡地、米軍基地の現状、辺野古基地建設場所など様々な場所を見学することが可能となりました。また、高里鈴代氏の多大なるご協力によって、多くの女性講師の方をお招きすることができましたこと心より感謝申し上げます。

研修を通し4カ国の同世代の女性たちが共に賛美し、共に学び、共に食事をし、共に楽しい経験をしました。この経験が真に平和を作り出すものになる一歩になったことを願っています。

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