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その他開催報告

2025年度学費助成金 授与式・交流会 開催報告

ウェスレー財団では、2020年度から、様々な事情により経済的・社会的支援を必要とする大学生や専門学校生に学費助成金を交付しています。2025年度は日本各地に住む27名の大学生がWesley Legacy Youth(学費助成金授与者)に選ばれ、5月3日に授与式・交流会を開催しました。

開催日時2025年5月3日(土) 13:00-16:00
  場所:ウェスレーセンター1階 101
 参加者:対面33名(学生、理事・職員、パートナー団体など含む)、オンライン4名 計37名

●授与式●

授与式では、2025年度ユースのうち対面参加者21名とオンライン参加者4名のお名前を読み上げ、対面参加者にはウェスレー財団の小海代表理事と西川理事より授与証をお渡しし、一人ずつ自己紹介と現在学んでいることについてお話ししていただきました。


●2024年度ユースからの報告とメッセージ●

この授与式・交流会には、昨年度に学費助成金を受け、1年間の学びを終えた2024年度ユースと、ウェスレー財団が公益財団法人JELAUNHCR駐日事務所と共同で実施している「難民専門学校教育プログラム(RVEP)」の奨学生もお呼びしました。2024年度ユースからは6名が出席し、1年間の学びの報告と2025年度ユースへの応援メッセージを話してくれました。

2024年度ユースは、学費助成金を受けたことで経済的負担が軽減され、勉学や課外活動、看護実習などに集中することができたようです。以前はアルバイトに割いていた時間を、子ども食堂のお手伝いや能登半島地震被災地支援といったボランティア活動のために用いることができたこと、また、海外留学に挑戦したり、ウェスレー財団のカンボジアでのワークキャンプに参加することができたという経験がシェアされ、それぞれの場にあって学びの機会を有効に使うことができたということがわかりました。また、今回採用された2025年度ユースにも、学外に出て色々なことに挑戦してみてほしい、という励ましのメッセージが贈られました。


●「難民専門学校教育プログラム(RVEP)」奨学生のライフストーリー●

その後は、「難民専門学校教育プログラム(RVEP)」(*)の奨学生4名から、それぞれのライフストーリーを聞く時間を設けました。今回参加してくださったRVEP奨学生は、ウクライナとシリア出身です。4名の方のこれまでの歩みや、今専門学校で学んでいること、将来の目標についてお話を聞き、日本に住む難民の方々の背景を知る機会となりました。戦争等により故郷を逃れ、様々な困難を乗り越えて日本での学びに励む4名のストーリーに皆聞き入っていました。個人的な経験を日本の学生たちにシェアしてくれたRVEP奨学生に感謝します。

(*)「難民専門学校教育プログラム(RVEP)」は、難民等の身分が公的に認められ日本に在住している方々が、職業のための能力習得を目指し専門学校で学ぶことを支援する奨学金プログラムです。ウェスレー財団は公益財団法人JELAUNHCR駐日事務所と共同でこのプログラムを実施しています。


●Q&A●

皆さんからのお話を聞いた後、Q&Aセッションの時間を設けました。日本の学生からRVEP奨学生へ「好きな日本語は?」「ウクライナとシリアの美味しい食べ物を教えてほしい!」等の質問が寄せられ、またRVEP奨学生は「みんなの趣味が知りたい!」と、お互いのことに関心を持って交流し、終始和やかなムードでした。ユーモアと個性あふれる皆さんの回答に会場は笑い声で包まれ、楽しい時間を共有することができました。


●閉会の言葉とお祈り●

最後にウェスレー財団の小海光代表理事と西川嗣夫理事からユースへ歓迎と応援のメッセージが贈られ、公益財団法人JELAの古屋四郎理事長が閉会のお祈りをしてくださいました。

全国各地から皆さんが集まってくれたことへの感謝とともに、それぞれの1年間の歩みが神様に守られ、豊かな時となりますよう願っています。


2025年度ユースには1年後に報告書を提出してもらうことになっています。報告書では、1年間で学んだことや経験したことだけでなく、それらを通して自分にどのような変化があったか、どう成長したかを振り返っていただきます。この1年間が、皆さんにとって変化と成長の年となり、自分自身について深く知り、それぞれに与えられたユニークな賜物が社会のためにどう用いられるかを考える時となることを願っています。また、今回の授与式・交流会で出会った仲間たちとこれからも繋がり、共に励まし合える関係を築いてもらえたら嬉しいです。

家庭の事情や経済的な困窮により修学の継続に不安を抱える学生や、アルバイトに追われて学びの機会を断念せざるを得ない状況にある若者たちが日本国内にも多くいます。弊財団の助成金によってそのような学生たちの経済的負担が少しでも軽減され、安心して学生生活を送ることができるようになることを願い、私たちはこれからも支えてまいります。

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