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新しいスタッフの紹介②

2019年5月より、プログラム担当職員として勤務を始めた生原(はいばら)のぞみです(写真右)。

大学2年生の春休みに、初めて参加した海外セミナーが当財団主催のNew York Social Justice Seminarでした。このセミナーのテーマは人身取引でしたが、当時の私は人身取引の定義さえも知りませんでした。しかし、セミナーを通して知った様々な被害の現実に衝撃を受け、この問題を少しでも多くの人に伝えたい、と強く思いました。自分の心に火が付いたような感覚でした。帰国後は、このセミナーの事前研修でレクチャーをしていただいた人身取引問題の啓発活動をしているNGOの活動に、学生ボランティアとして関わるようになりました。

人身取引の事例を知っていく過程で、「ジャパゆきさん」と呼ばれる、80年代にエンターテイナーとして日本で就労していたフィリピン人女性の問題や、出稼ぎ労働者として海外で働くフィリピン人が被害にあうケースを知りました。そして大学3年生の夏、授業で約3週間フィリピンに滞在し、政府機関やNPOを訪問して人身取引防止のための取り組みや被害者支援について調べました。それが私にとって初めての途上国訪問だったこともあり、フィリピンが抱える貧困の現実を目の当たりにする日々を過ごしました。

翌年の春には、タイのチェンライで行われた当財団主催のワークキャンプに参加しました。ここでは、現地に住む山岳少数民族とのワークを通して、文化や言語、民族を超え互いに心を開き合って関係を築いていくことの喜びを体験しました。それだけでなく、マイノリティが受ける差別や迫害についても学び、他民族の文化を否定したり、排斥してしまう思想の危険性を感じました。

フィリピンから帰国し大学卒業までの間、途上国の子どもたちや女性たちの人道支援をしているNGOの学生団体に所属し、国際協力イベントの企画・運営を通した啓発活動に力を注ぎました。ユース向けのワークショップや社会問題を扱った映画の自主上映会など、様々な企画を通して多くの同世代と出会い、互いに刺激し合えたことは、素晴らしい経験として今でも心に残っています。

社会人経験を積んだらいつかは国際協力に携わることがしたいという思いを持ち、卒業後は一般企業に就職しました。日々の業務に携わる中で、新しいことを習得する楽しさはありましたが、学生時代の活動で感じていた情熱や、社会的な正義感からくるやりがいとは異なるものでした。そんな中、神様のお導きにより当財団での仕事が与えられ、これからは職員という立場からプログラムに関わっていけることを大変うれしく思います。

当財団での業務を通して、問題解決のために自らの特性を生かして行動できる人材の育成に貢献できるよう、尽力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。