報告

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国際協働プロジェクト

国際協働プロジェクト:ネパールNPCSモニタリング報告

ウェスレー財団は、ネパールのNGO NPCS(Nutrition Promotion & Consultancy Service) と協働し、カンチャンラップ市での子どもや女性の栄養習慣、栄養状態の改善に向けた3年計画のプロジェクトを実施しています。プロジェクト支援最終年を迎え、ウェスレー財団の理事2名が10月20日から23日まで現地を訪問し活動の様子を視察した報告をお読みください。

カンチャンラップ市は首都カトマンズの南東約300キロ、インドとの国境に近い水田が広がる一見豊かな地域に見えますが、ネパール南東部で最も貧しい地区に数えられています。

 

5歳未満の子どもの定期的な成長モニタリングと栄養失調の子どものフォローアップ

政府の子どもケアは2歳までですが、NPCSは5歳までフォローします。NPCSの現地スタッフが各々担当する集落の母子の健康を毎月チェックし、カードに子どもの身長・体重を記入してグラフ化して標準的な成長曲線との差異を確認し栄養失調の早期発見に努めています。ここで、変調が認められると、栄養指導をおこない、重度の場合は、栄養失調リハビリセンターに搬送して回復をはかります。

比較的年齢の若いお母さん方が多いこともあり、「定期的なモニタリングは子どものためだけでなく、私自身にとってもとても安心できるのでありがたい」との声を聞きました。

「スーパーフラワー」(栄養価の高い離乳食)プロジェクト

数名の女性がグループを作り、大豆等を主原料等とする栄養価の高い「スーパーフラワー」を生産、販売しています。現在は6つのグループが活動をしています。暑い気候の中、仕入れた原料を焙煎し粉にするのはかなりの重労働です。ひと袋500g入りで150ネパールルピー。生産グループの地元で売られますが、PR活動などによるさらなる販路開拓が課題です。

キッチンガーデンプロジェクト:スナック菓子の代わりに、野菜を食べよう!

今回は公立小学校を訪問し、校庭の一角で行われている学校菜園を見学しました。子どもたちが簡単に育てられる野菜を作り、家庭に持ち帰って食べます。栄養バランスを考えた食事指導のひとつです。野菜は数種類植えられているとのことでしたが、訪問時期が悪かったのか、残念ながら収穫を待つ野菜はありませんでした。地元の人々は基本的な農作業のノウハウをもっており、家庭での野菜作りは誰でも可能で、栄養に対する意識向上が徐々に進んでいることが分かりました。

健康子どもコンクール

保護者の栄養管理への意識向上を目指すイベントとしで、毎年開かれる5歳以下の子どもが対象のコンクールです。審査は年齢に応じて分けられ、計24名が表彰されました。身長、体重だけでなく栄養バランスの取れた食事習慣などかなりの項目による審査があります。受賞者には賞状と賞品の食器セットが贈られました。カンチャンラップ市の市長をはじめ関係部門の担当者も列席しました。

栄養失調リハビリセンター

このほか、NPCSがサポートしている農村地区の出産施設や20kmほど離れた最も近い都市であるラジビラージ市内にあるNPCSと連携している栄養失調リハビリセンターも訪問しました。このセンターではベッド数約10、親子で滞在しリハビリを受けられます。収容されたときは危機的な状態であった子どもたち、母親達も数週間から半年あまりのリハビリプログラムにより健康状態の回復がはかられます。

 

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