国際プログラム開催報告
韓国で平和を考える研修2017
8月15日~20日まで、韓国で平和を考える研修が実施されました。
韓国にある、Scranton Women’s Leadership Centerと共同で行われた今年の研修には、日中韓合わせて16名の20代~30代の女性参加者が集まりました。(内日本からの参加者はインターンを含め8名を研修に派遣しました。)
事前課題から各国の歴史について学ぶ時を設け、ワークショップでは互いに発表し、一つの年表を作り上げるワークショップを実施しました。このワークショップでは、自国の歴史観だけでなく、他国の視点を知ることができ、2つの側面から物事をとらえることの重要性を学びました。
5日間の研修日程では、1)歴史、2) 戦争と女性、3) 戦争、軍事と女性、4) 平和と自然、5) リーダーシップという5つのテーマを設け、そのテーマに沿って平和を考えるために、歴史的な場所への訪問、被害者の証言を聴く、いまだ紛争が終わっていない場所を訪れ、20代の若い軍人たちを自分の目で見て、聴くという経験もしました。痛みの歴史や平和を女性としてどうとらえるのか、聖書の視点ではどう捉えるのか、どのように平和を作り出せるものとなるのかも、ワークショップや、毎日の振返りの時間で沢山の意見を交換しました。今年度は、江原道インジェ郡に位置する、DMZ(非武装地帯) Peace Life Valleyという研修施設に宿泊しました。この研修施設は、北朝鮮と韓国の軍事境界線からそこまで離れていない場所で、朝鮮戦争の際は激戦地であったところです。現在は今でも続いている分断や、歴史的な痛みがあった場所であるということを忘れてしまうほどに、自然豊かな環境で、多くの農家の方が美味しく栄養のある野菜を育てています。
“平和”を考えるとき、私たちは自分の内なる平和についても考える必要があります。インジェの宿泊先では、自然と平和ということを考え、平和的な思考と自然環境を考える機会を得ました。研修に参加する前は、参加者たちの多くは今まで平和が何か漠然とした大きなもので、自分とはあまり関係のないことのように感じていたようですが、この研修を通じて、平和に関する自分なりの答えを見つけたようです。これからもウェスレー財団では、研修を通じて平和を担うリーダーたちの育成に努めていきたいです。
【参加者の声】
平和を作り出すには、自分の背景や立場だけでなく、むしろ、自分自身がどうあるべきかによってできていく。何を行動するかではなく、どうあるべきかを考えていくべきなのである。(大学1年生)
けれども「平和」とは、時には憂鬱も喜びも含んで、毎日自分と自分の心が良い関係を保っていること、自分が誰かを信じる事ができ、又相手にも信じられていること、その繋がりが保たれていることではないかと感じました。(大学3年生)