セミナー・講演会開催報告
女性のエンパワメント連続セミナー
リトル・ウィメンから学ぶ女性の生き方 第1回目報告
女性のエンパワメント連続セミナー リトル・ウィメンから学ぶ女性の生き方
第1回目 「若草物語」の原作、作者、価値観
参加者:23名
実施日:2019年6月14日(金)
2019年6月14日(金)に、ウェスレーセンターにて「女性のエンパワメント連続セミナー リトル・ウィメンから学ぶ女性の生き方 第1回目」を開催しました。
この女性のエンパワメント連続セミナーは、今年9月に日比谷シアタークリエにて上演予定のミュージカル「リトル・ウィメン(若草物語)」の開催に合わせ、名作「若草物語」から女性の生き方、キャリアの築き方を学ぶ講座として2回に分けて企画、実施しました。
若草物語とは、1868年にルイザ・メイ・オルコットによって書かれた小説で、南北戦争時代のアメリカを舞台に、慎ましい生活の中で前向きに歩む4姉妹の姿が描かれています。女性の自立や家族愛をテーマにしたこの物語は、アニメ化や映画化もされており、出版以降幅広い世代に愛され、現代もなお読み続けられています。
第1回目は、当財団の評議員である加納孝代氏(活水女子大学前学長、青山学院女子短期大学名誉教授)を講師に、若草物語の原作、作者の生涯、物語が書かれた背景から、現代を生きる私たちへの示唆を学ぶセミナーを実施しました。
これまで、当財団主催のプログラムは比較的若い世代を対象としたものが多かったのですが、大変嬉しいことに、今回のセミナーには中学生から70歳以上まで、幅広い世代の方が関心を持って参加してくださいました。
世界的にヒットした小説として有名な若草物語ですが、読み手によりその受け止められ方が異なっていたようです。20世紀前半は、女性読者や女性作家たちから圧倒的な支持を得た本作は、男性作家や男性評論家からは「書かれているのは家庭内のことばかり」という評価を受けていたことも講演の中で伝えらえました。
今回の講演の中核となる「現代社会を生きる私たちは物語をどう捉えるべきか」という講演の中で、「”男性らしさ” “女性らしさ”という枠で個人や社会を見るのではなく、”その人らしさ” “人間らしさ”という視点を持つことが、今の時代で求められているのではないか」と強調されていました。
女性が自由に自らの意思で行動し、将来を選択していく重要性についても若草物語の中で示されている大切な価値観として講演の中で強調されていました。
物語の主人公・ジョーは、19世紀後半という時代を生きながらも結婚を望まず、作家への道を自ら志し、夢に向かって奮闘します。私たちも同じように、世の中のステレオタイプに囚われず自身の生き方を自由に考えられるということが、講演を通して伝えられました。自らの意思で物事を判断していくためには、その行動に責任を取れるだけの能力が必要になってきます。一人一人がその能力を身につけるために、各々が主体的に学び続けていく動機づけと示唆がこの講演で示されました。
ウェスレー財団では、世代を超えて、平和な世界を築いていくための手掛かりとなるようなセミナーやプログラムを今後も企画してまいります。