セミナー・講演会国内プログラム開催報告
「キリスト教アーティスト ―渡辺禎雄版画展―」開催報告
2025年11月13日(木)から15日(土)まで、弊財団では「キリスト教アーティスト 渡辺禎雄版画展」を開催し、公益財団法人早稲田奉仕園所蔵の版画20点を展示しました。14日(金)と15日(土)には、キリスト教美術専門家・吉松純氏(金城学院大学教授)を講師に迎え、「狭い門から世界へ―キリスト教アーティスト渡辺禎雄の信仰と聖書観―」と題した特別講演を行いました。
本展は、国内のクリスチャンアーティストの作品に光を当て、その創造的な信仰表現の灯が次世代のクリスチャンアーティストへと受け継がれていくことを願って企画したものです。
開催日時:
11月13日(木)11:00〜18:00
11月14日(金)11:00〜19:00 【特別講演】17:00~18:30
11月15日(土)10:00〜14:30 【特別講演】 11:00~12:30
場所:ウェスレーセンター101
来場者数:計75名
11/13(木)13名
11/14(金)25名
11/15(土)37名
講演参加者数:計42名
11/14(金)16名
11/15(土)26名
講演者:吉松純氏(金城学院大学教授)
3日間の会期中には75名の方にご来場いただき、特別講演には42名が参加されました。
特別講演では、吉松氏より渡辺氏の来歴と作品世界についてお話しいただきました。まず触れられたのは、クリスチャン人口が1%に満たない日本で、渡辺氏が「キリスト教美術」という“狭い門”をあえて歩んだ点でした。17歳で受洗した渡辺氏は、青年期に民衆的工藝(以下、民藝)の染色作家・芹沢銈介の門下で型紙版画を学びましたが、その後は聖書のみをモチーフとする制作姿勢を貫いていきました。
吉松氏は渡辺氏の作品に、民藝・仏教美術・西洋キリスト教絵画という多様な美術の影響が見て取れることを示し、実際にそれぞれの作品と対比しながら解説してくださいました。渡辺氏が様々な美術から学びながら、独自の信仰表現を追求し、それを結実させた歩みが浮かび上がる講演でした。また吉松氏は、キリスト教美術とは「聖書の時代と芸術家自身の時代を結びつける、信仰表現であり証である」と語り、参加者は戦前・戦後を生きた渡辺氏の時代背景に思いをめぐらせながら、作品に込められた信仰を味わうひとときとなりました。
来場者からは、「作品が素晴らしかった。聖書をもう一度読みたくなった」「静かな雰囲気の中で、ゆっくりと作品を拝見でき、癒された」「本物を見たのは初めてで、技法のオリジナリティに感じ入った」といった声が寄せられました。講演参加者からも、「作品鑑賞の理解を深めることができた」「ますますキリスト教美術に関心をもった」「更に多くの作品を見たいし、友人にも紹介したい」との感想が届いています。
弊財団では、創造的な信仰表現が広く人々の心の養いとなることを願い、今後も多様なクリスチャンアーティストに光を当てる取り組みを続けてまいります。







