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2021年度開発・育成活動助成金交付事業のご紹介(アジアキリスト教教育基金)

ウェスレー財団では、助成金事業の一つとして、「開発・育成活動助成金」を実施しています。この助成金では、日本、アジア・太平洋地域で2年以上すでに実施されている継続的な事業に対し、助成金を交付しています。この助成金の2021年度の交付団体の一つである、特定非営利活動法人アジアキリスト教教育基金の活動をご紹介します。

アジアキリスト教教育基金(The Asia Christian Education Fund:以下ACEF)は、1990年に設立された国際協力NGOで、キリスト教精神に基づいてバングラデシュの子どもたちの初等・中等教育支援と職業訓練のための支援協力を行い、教育・福祉の向上に貢献してきました。現在、ACEFのパートナー団体であるBasic Development Partners(以下BDP)が運営する複数のノンフォーマル小学校の運営支援をしています。また、スタディツアーやセミナーの実施を通して開発途上国の諸問題に取り組む日本の若者の育成を行っています。

アジア最貧国と言われ、団体設立当時(1990年)の成人識字率は35%程度であったバングラデシュですが、ここ数年の経済発展で国民所得税が上がり、政府の教育への投資によって公立小学校の数が増え、識字率や就学率も向上してきました。ただ、実際に豊かになっているのは都市で暮らす富裕層のみで、スラム地区や農村部の貧困家庭では子どもを継続して学校に行かせる余裕がなく、貧富の格差が拡大しているという現実があります。活動地の現在の課題は、中学校への進学率が未だに低く、学習の継続を望む子どもたちが経済的な理由によって進学を諦め、働きに出なければならない状況が続いていることです。

開発・育成活動助成金の交付事業では、支援実施地域の各コミュニティとの協議を通して、必要な初等教育支援の見直しを行い、運営している小学校の教育の質の向上と子どもたちへの奨学金による中学教育支援を実施しました。

コロナ禍によるバングラデシュ政府の方針により、ACEFがパートナー団体であるBDPと共に運営するノンフォーマル小学校は2020年3月から9月までの約1年半もの間、休校を余儀なくされました。1月下旬から2月末も、オミクロン株の流行により再び休校となりました。助成期間は、コロナ禍で教育を受ける機会を失っていた子どもたちへの対応をしながら、運営する2つの小学校に新しく図書館を設置し、コロナ禍により進学を諦める状況にあった子どもたちに中学進学の奨学金を給付しました。

ウェスレー財団からは、この活動を実施するために必要な交通費や図書館整備のための本棚や本などの購入費、現地事務所管理費などの費用を支援しました。

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