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開発・育成活動助成金 交付団体の進捗報告(シャプラニール=市民による海外協力の会 )

ウェスレー財団では、助成金事業の一つとして、日本、アジア・太平洋地域で2年以上すでに実施されている継続的な事業に対し「開発・育成活動助成金」を交付しています。この助成金の交付団体の一つである、特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会 (以下「シャプラニール」と記載)から活動の進捗報告が届きましたのでご紹介します。

  • シャプラニールの交付事業の概要はこちらの記事をご覧ください

シャプラニールは、バングラデシュの首都ダッカで家事使用人として働く少女たちの権利を守るため、家事使用人の少女が多くいる地区(公務員住宅やスラム街近辺)で支援センターを運営し、簡単な文字の読み書き、保健衛生等の基本的な教育を得る機会を提供しています。教育支援のほか、14歳以上の少女が将来の職業選択の幅を広げられるようになるために、手工芸品づくり、パーラー(美容)、縫製等の技能研修を実施しています。

少女たちは支援センターで熱心に勉強し、雇い先や自宅でも時間があれば読み書き等の練習を行っています。センターに通う少女たちからは、「自分の名前や住所が書けるようになったことをとても誇りに思っている」といった声が寄せられています。技能研修では、縫物/刺繍、ジュエリー作り、紙細工、調理、縫製の研修が行われ、少女たちは学んだスキルを雇い先や自宅で生かすことができているようです。

また、少女たちへの支援だけでなく、少女たちの雇用主宅や保護者宅の訪問と、雇用主を対象とした啓発ワークショップ・保護者を対象とした子どもの権利ワークショップを開催しました。雇用主には少女たちを定期的に支援センターへ通わせるよう、また可能であれば学校にも通わせるように呼びかけました。保護者たちには、児童婚の弊害と教育の重要性について働きかけを行いました。

バングラデシュでは、コロナウイルス感染拡大を受け、2020年3月から2021年9月まで教育機関の閉鎖が続いたことにより、以前は学校に通っていた少女が家事使用人として働くようになり、学校再開後も学校に戻らずに働き続けているケースが確認されています。これまでの活動を継続しつつ、保護者と学校の関係者をつなぐ連携ミーティングや保護者に対する働きかけを積極的に行い、少女たちが学校に戻ることを目指しています。