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2021年度開発・育成活動助成金交付事業のご紹介(AMDA社会開発機構)

ウェスレー財団では、助成金事業の一つとして、「開発・育成活動助成金」を実施しています。この助成金では、日本、アジア・太平洋地域で2年以上すでに実施されている継続的な事業に対し、助成金を交付しています。この助成金の交付団体の一つである、特定非営利活動法人AMDA社会開発機構(略称:AMDA-MINDS)の活動をご紹介します。

AMDA社会開発機構(以下AMDA-MINDS)は、「今日の家族の生活と明日の希望の実現」を目指し、アジアやアフリカ、中南米の主に発展途上国で、保健分野(母子保健、地域保健、保健システム強化等)に加え、村落開発や生計向上などのプロジェクトを実施しています。国内では、講演会等を通じた国際理解促進や、企業との連携を通じた社会教育活動を推進しています。

2021年度開発・育成活動助成金の交付事業では、ミャンマーの乾燥地帯における水衛生環境改善プロジェクトを実施しました。ミャンマーの中央部に位置する乾燥地帯は降水量が年間700~1,000mmと少なく、水源も限られています。中でも、活動地であるマグウェ地域は水不足に起因する不衛生な環境におかれ、抵抗力の弱い子どもを含め、村人は下痢症や皮膚病など感染症に苦しんでいます。特に幼い子どもたちは、下痢で脱水症状を起こし、命を落とすこともあります。また、村に井戸などの水供給施設が無いため、毎日の水汲みに時間も労力もかかります。

このような状況を改善するため、村人が中心となって水供給施設の設置計画から維持管理まで全て行えるよう、実施計画の制定やエンジニアによる技術的な支援を行いました。

ミャンマーでは長引くコロナ禍に加え、国軍によるクーデター発生後の情勢不安により2021年7月~9月の約2か月間は国軍政府によって全国一斉公休とする政策がとられました。そのため、規制解除後は村の治安状況に注意を払い、村人や職員の安全を確保したうえで事業が進められました。

事業を実施したタンピンチャウン村の治安は比較的安定しているものの、村に行きつくまでに国軍による複数の検問所があり、尋問を受けたり、資機材の運搬目的を問い詰められることもあったそうです。その都度、職員は常に身分証明書を携帯したほか、団体名を示すロゴつきのシャツを着たり、必要に応じて団体や活動概要を説明して対応しました。

感染症対策や治安状況に左右され、困難の多い状況でしたが、12月から水供給施設の設置作業が開始され、貯水槽と貯水槽から水を運ぶパイプの取り付け、給水設備建設が完了されました。当財団からは、事業実施に必要な物品購入費や建設費等に助成金を交付しました。建設後は、水道メーターの取り付けや水と衛生管理の研修などが実施されることになっており、本事業は2022年9月まで助成予定です。

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